正栄魔神記
よく「ショウエイマジンキ」と間違われるが、「ショウエイマシンキ」である。
舞台は正栄伝記から80億年後の地球。
地球は地表・海を全て機械的な人工物で埋め尽くされ、何とか崩壊を免れていた。
50億年前にオリジナルの太陽も正栄拳の使い手によって壊されており、
人工の太陽が空に浮かんでいる。
だが、科学力はそれほど発達したわけでもなかった。
それは幾度と無く文明的な滅亡がASEN団体、正栄拳の使い手達によってもたらされたためである。
宇宙人との戦いも何度も経験しており、外的に対する防衛網が幾重にも敷かれていた。
この防衛網だけはASEN団体によって作られたもので、鉄壁と思われていた。
しかし突如として現れ、月を乗っ取ったモンスター達によってその防衛網は破られた。
そこから物語は始まってゆく。
昔ながらの佇まいの中華店『正栄軒』では、今日も店主の正栄 子孫が仕込みをしていた。
しばらくすると轟音と悲鳴が飛び交う。
恐る恐る窓から外の様子を伺うと、そこには恐ろしげな形をした化け物が人々に襲い掛かっていた。
この時、正栄拳は正栄一族にはもはや伝わっておらず、子孫はただの人間だったのだ。
そもそも現存する正栄拳の使い手も、栄度が高い者は居なくなっていた。
どうする事も出来ずに、震えながら人々が殺されて行くのを見ている事しか出来ない。
もう一度彼の耳に人々の助けを呼ぶ声が聞こえてきた。
どうしようもないんだと、落ち込む子孫だったが、ふと、厨房の辺りから謎の声が聞こえてきた。
「叫べ、魂の名を」
なぜだか彼にはそれがどういう事なのか理解できた。
子孫は急いで厨房へ戻ると、0.5秒でコックの服に身を包んだ。
そして叫んだ。魂が叫ぶ通りにその名を。
「うおおおおおお!正栄ロボオオオオォォオオオオ!!」
すると『正栄軒』が変形を始めた。
質量保存の法則を完全に無視し、2階建ての面積15畳程度の店が、全長40mもの巨大ロボットへと変形した。
その後は中央自衛隊の隊員、地衛侘 伊印との出会いがあり、
塚井 手の乗る正栄ロボDXと共に戦ったりして、ついに敵の本拠地月へ行く事となる。
伊印の乗るASENの技術の粋を集めた新型ロボット、武者弐型を脇に抱え月へ飛ぶ、正栄ロボと正栄ロボDX。
月へ到達し、武者弐型を下ろすと塚井 手が突然こう言った。
「分かったぞ・・・真の敵は神だ!こんな事、神が許すはずはない!
だからこれは神の罠だ!行くぞ子孫!」
そう言って伊印を置いてきぼりにして、神の住む神界へと向かう2人。
相当に栄度が高い状態のようで、普通では到達できるはずはない神界へ簡単に到達する。
しかしそこに神の姿は見当たらない。
(そんな馬鹿な・・・!これは、神はすでに殺されていたと言う事か!?
俺ではない・・・だとしたら・・・まさか!!!)
「裏切ったな子孫!」
そう叫びながら正栄ロボを殴り飛ばす正栄ロボDX。
「グハァ!・・・ま、まさか塚井 手、あんたが黒幕だったなんて・・・!」
お互いに勘違いし合い、戦う2人。
勝利を収めたのは、正栄ロボだった。
正栄ロボDXは破壊され、地球へと叩き落された。
だが塚井 手は既に脱出しており、正栄ロボに奥義虚偽世界をかけていたのだ。
正栄ロボは偽物の世界に囚われ、幻の敵と無限に戦い続ける。
栄度の高い状態の子孫では、幻を疑う事も出来なかったのだ。
そして月に一人残された伊印は、圧倒的な敵の物量に押しつぶされて死亡。
最後まで敵を食い止めようとした伊印が死亡すると、モンスターが月から地球へ移動を始めた。
モンスターの大軍団が降りた地球は絶体絶命のピンチを迎えていた。
弾薬が無くなるまで銃を撃ち、最後には爆弾を抱えて敵の集団に飛び掛るロボット達。
最後には人もそのように戦ったが、結局全ての兵器は破壊され、兵士は殺された。
人々は抵抗する術を失い、モンスター達に虐殺されてゆく。
そして地球の人口が30万人を切ったところで、物語は終結した。
全62話。