♪音楽ストップ

 

 

 

インペリアルシティへと向かった一同が、激しい戦いを繰り広げる一方、

天空の城に残ったアルストは。

 

 

 

 

暇をもてあましていた。

 アルスト(やっぱ部屋で昼寝でもするか)

杖を手に持ち、折れた足を庇いながら立ち上がろうとすると、重い音を響かせて扉が開け放たれた。

 

 

開けられた扉の向こうから2人の男がつかつかと城内へと入って来て、
アルストの座る玉座の前まで、わき目も振らずに歩いて来た。

そしてハゲている方が言った。

 ジョフリー「私の名はジョフリー。
  突然の訪問申し訳ない。こちらは街の貼り紙にあった便利屋の城で間違いありませんかな?」

ハゲている方の男の名はジョフリーというらしい。

 アルスト「そうだ」

ジョフリーはアルストが返事すると何かに駆り立てられるように早口でまくし立てた。

 ジョフリー「では早速、仕事を依頼したい。
  我々と共に、インペリアルシティまで行って欲しいのです」

 アルスト「インペリアルシティに?
  行ってどうするんだ?」

 ジョフリー「それは・・・」

ジョフリーは共に来たボロいローブの男を振り向いた。

何か言い難い事なのだろうか。
それを察したらしいボロいローブの男が小さく頷くと、ジョフレは言った。

 ジョフリー「実は、このお方は今は亡きタムリエル大陸皇帝ユリエル・セプティムのご子息、マーティン閣下。
  われらは・・」

 アルスト「あ〜。そうか」

ジョフリーの喋っている最中、アルストがその言葉を遮るようにして声を上げ、訝しげな目で2人の男を見ながら言った。

 アルスト「お前ら新手の詐欺師だな?
  残念だったなお前ら。俺はそんな嘘にはひっかからねぇよ。
  皇帝の子供は全員殺されたって黒馬新聞に書いてあったからな」

さっさと帰れ、というようにアルストが腕を払うと、ジョフリーと黒ローブの男は顔を見合わせた。

そしてジョフリーが声を荒げた。

 ジョフリー「嘘ではない!
  ここにおわすお方は紛れもなくマーティン閣下で・・・」

 アルスト「なら証拠でも見せてみろ」

今まで黙っていたボロいローブの男、マーティンは、ジョフリーの肩をポンと叩き、
首にかけていた首飾りを外してアルストに歩み寄った。

 マーティン「これがその証拠・・・
  
??」

首飾りを差し出したマーティンは、アルストの顔を眺めて何かを思い出すような仕草をした。

同じようにアルストもマーティンの顔を眺め、言った。

 アルスト「・・・?
  お前、どっかで見たことあるな」

 マーティン「私もそんな気が・・・」

 アルスト「まぁいい。俺クラスならともかく、お前ぐらいの顔だったらどこにでもあるしな。
  で、この首飾りがお前が皇帝の子供って証拠なのか?」

アルストが首飾りを受け取ると、マーティンはコクリと頷いた。

 

 アルスト(結構高そうな首飾りだが、こんなもんが証拠?
  詐欺師野郎どもがナメやがって。
  こうなりゃイチャモンつけてこの首飾りをパクってやるぜ)

 

そしてアルストは首飾りを首にかけた。だが、首飾りはすぐに外れて落ちてしまう。
付け方が悪かったのか、とアルストはもう一度もう一度と試したが、どうやっても首飾りはすぐに外れてしまった。

 アルスト「なんだこりゃ?・・・なんか仕掛けでもあるんじゃねぇのか?」

 マーティン「そう思うなら、君がその首飾りを私につけてみてくれ」

そう言ってマーティンは首を差し出し、アルストは彼の首に首飾りをかけた。
そして首飾りがかかった状態でマーティンは首を振って見せたが、
首飾りは彼の首から外れることもなく、彼が振るに合わせてチャラチャラと音を鳴らして宙を舞った。

 

 アルスト「もう一回貸してみろ!」

アルストはマーティンからもう一度首飾りを受け取り、首にかけた。
だが首飾りはスルリスルリと外れてしまう。

 ジョフリー「その首飾りこそ、王家の血を引く者だけがつけられる品、王者のアミュレット。
  これで信じていただけましたか?」

ジョフリーが言って、マーティンが1歩2歩とアルストから身を離した。

 

 

アルストは何度も何度も頷いて、目を瞑ってそのまま下をうつむき、ワナワナと小刻みに肩を揺らしはじめた。

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 マーティン「ど、どうしたんだ・・・?」

 アルスト「・・・クックック・・・」

アルストの口から、押し殺したような笑い声が漏れた。
そして、うつむかせていた顔を上げ、大声で笑い始めた。

 アルスト「ッッッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!
  そうか!お前が皇帝の子供の生き残りか!」

ジョフリーとマーティンは、アルストの勢いに気圧されながらも頷いた。

 アルスト「そうかそうか!
  お前がこの物語のラスボスか!マーティン!
  ハハハハッハッハアハハハハッハ!飛んで火に入るラスボスだな!」

 マーティン「な、なにを・・・?」

 アルスト「お前はインペリアルシティまで行って皇帝を継ぐつもりなんだろう?!
  だがそうはいかんぞマーティン!
  お前はここで俺に殺される!
  そして!俺が次期皇帝となるんだ!」

可笑しそうにアルスとは笑い、片足で立ち上がり腰の剣を抜いた。

ジョフリーがマーティンを庇うように立ちはだかったが、
ならば一緒に殺してやろう、とアルストは一息に斬りかかろうとした。

だが、そんなアルストの前に見張りの幽霊が現れ、アルストを止めた。

 幽霊「ペ〜ラ!ップェラ!」

 アルスト「なんだテメェ!どけ幽霊!」

幽霊は怒鳴られてもアルストの前からどこうとせず、ペラペーラとワケの分からない言葉を喋り続けている。

しばらくの間、アルストは幽霊のペラペーラという言葉を聞いていたが、
突然やる気を無くしたように玉座へと座り込み、剣を鞘におさめた。

♪音楽ストップ

 

 

 アルスト「・・・しょうがねぇな」

アルストが剣をおさめると、幽霊も緊張が解けたようでそのまま玉座の横にスーっと移動した。

 ジョフリー「一体何がどうなってるんだ!」

なにがなんだか分からないぞと、ジョフリーは息巻いた。

 アルスト「あぁ。
  お前らの仕事、インペリアルシティに一緒に行ってくれってやつな・・・
  請けてやるよ。ただし、明日な」

 ジョフリー「あ、明日!?
  こうしている間にもデイゴンの復活の時は刻々と迫ってきているのだぞ!
  我々には時間が・・!」

 アルスト「デイゴンが?
  ああ・・そういやぁそうらしいな。
  でもデイゴンみたいな魔神はそうすぐに復活なんてしねぇよ。
  火山が噴火するとか大地震が起きるとか、そういうシーンもまだだしな」

 マーティン「しかし急がなければ!」

 アルスト「つっても俺は足が折れてんだよ。
  明日には治るからそれまで待て。奥の空いてる部屋使ってていいぞ」

 

 

そしてジョフリーとマーティンは話し合いを始めた

 ジョフリー「いかがいたしましょう?
  この男、なんとなく信用できませんが・・・」

ジョフリーは、もう2人でインペリアルシティへ向かおうと急かしたが、
マーティンがもう一日くらいはいいだろうと言ったため、2人は一日天空の城へ滞在する事となった。

既にインペリアルシティでは大激闘が繰り広げられているとも知らずに。

 

そしてアルストは・・・

 アルスト(ここでマーティンを殺そうとすると、なぜか幽霊がキレやがる。
  だがインペリアルシティに行った上で、事故に見せかけて殺せば・・・・
  街中は最後の希望が潰えて大慌てになるだろう。
  そして・・・全ての人々はワラにもすがる思いで、
  皇帝の子供を見つけて首都まで送ったという英雄の俺を、次の皇帝に選ぶのは確実だな。
  ・・・クックック・・・我ながら、完璧な作戦だぜ・・・!!)

と、無茶な作戦を考えついていた。

 

 

 

 

――――――――おまけ――――――――――――――――――――――――――――

この話はALUST.STORYとは関係の無いオマケのです。そしてフィクションです。

 アルスト「ところでマーティン。
  皇帝の子供のお前から見て、お前コレ↓をどう思う?」

5人揃って卑怯戦隊うろたんだー!

 マーティン「これは一体?」

 アルスト「これはあらゆる手段を用いて、
  敵である正義の団体ジャスティスと戦うロボットヒーロー卑怯戦隊『うろたんだー』だ。
  登場人物は、青髪の男が主人公KAITO。
  茶髪の半チチがMEIKO。緑髪の女が初音ミク。
  で、金髪の双子が鏡音レンと鏡音リンだ。
  メガネの日本刀持ってるのが、敵であるジャスティスの基地司令だな」

 マーティン「こ、これはまさか・・・本当にCDが発売されているという・・・?」

 アルスト「うむ。お前も買ってやれよ?
  んで、コレ↓が新しい奴だ」

それが僕らのJustice!

 アルスト「1990年代。あらゆる賞を総ナメにしそうになった『うろたんだー』は、
  劇場版のみで3作で完結した。
  3作目は、1時間半の尺のうちの、20分で敵を殲滅して、
  その後は全て宣伝で埋め尽くして宣伝費をふんだくり、
  見事、卑怯にもお客様の期待まで裏切ってみせた伝説を持ってるよな?」

 マーティン「知らん。知りたくない」

 アルスト「そこで2008年の12月中旬に何の告知も無しで、ある場所のみで上映されたのが、
  『卑怯戦隊うろたんだー 〜それが僕らのJustice!〜』だ。

  子供の頃に正義のヒーローになりたいと思い、ジャスティスに入ったKAITO。
  そのKAITOがなぜ、卑怯戦隊となったのか。これは本編3部作の3年ぐらい前を描いたものだ。

  それは・・・KAITOがジャスティスでの功績が認められ、戦隊長になったのがキッカケだった。

  KAITOの元に配属されたのは、子供が3人と、KAITOの幼馴染によく似た女の総勢4人。
  そしてKAITOは知る事になる。

  幼馴染のメイコが、ボーカロイドというサイボーグを作る為の実験を繰り返され、
  ジャスティスに殺されていた事を。

  そしてその結果出来たのが、金髪の半チチMEIKOである事を。他の3人の子供も、ボーカロイドである事を。

  KAITOは悲しみ、そして決意した。
  ジャスティスを倒そう。
  みんなは騙されている、ジャスティスこそ悪だと。
  KAITOの悲しみに触れた4人のボーカロイドも彼の味方をし、彼らはジャスティスと戦った。

  しかし、ジャスティスはあまりにも大きかった。
  世間からは正義の団体と崇められるジャスティスは、この星を動かすほどの力を持っていたのだ。

  KAITO達は圧倒的な力の前に敗北し、MEIKOがジャスティスに回収されてしまう・・・

  そして・・・KAITOから正義というカセが外れ、
  卑怯の天才KAITOが生まれた。

  KAITOは速攻でジャスティスの最新鋭ロボ、うろたんだーを盗み出し、MEIKO救出へと向かう。

  閃け!最強の必殺技『裸マフラー』!

  企てろ!世界すら揺るがす卑怯な戦略!

  ・・・

  ・・・と、言うことだったが。
  力無き正義に意味は無し、権力の前には卑怯な事をするしかない。というストーリーと、
  過激な表現すぎて青少年健全育成委員会とかがブチギレてな。
  まぁ分かりきっていた事だ。
  カウンターの不祥事暴露で2〜3のそういう委員会とかは潰したが、
  それでも準備不足で結局全ての歴史と共に葬り去られてしまった。という伝説的なものになっちまった」

 マーティン「・・・・嘘だ!」

 アルスト「・・・・・・・」

 マーティン「・・・なぜ、こんな紹介を?」

 アルスト「決まってんだろ!!!!」

 マーティン「!?」

 アルスト「他に書く事が無いからだ!!!!」

 マーティン「!!」

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